++スペイン・ウィーン美術旅行記 2001

ここに来るのは2度目。前回は王宮のそばの宿だったが、今回は移動に便利な駅のそばへ。一度目はパブロ・ピカソ/Pablo Picassoの「ゲルニカ/GUERNICA」を見たくて来た。今回マドリッドのユキのいちばんの目的は、プラド美術館でヒエロニムス・ボッス/Hieronymus Boschの「快楽の園/El Jardin de las Delicias」をじっくり見ること。でもその前に!マドリッドに来ていちばんにすることは、スモ・デ・ナランハを飲むこと!そしてハモンセラーノのボカディージョを食すこと。腹ごしらえをしてから美術館へ行くのだ。

 ・・国立ソフィア王妃芸術センター/Museo Nacional Centro de Arte Reine Sofia

いわずと知れたピカソの大作「ゲルニカ」のある所。正面入口にあるガラス張りのエレベーターが現代美術館ぽい。「ゲルニカ」は2階に常設展示されている。主にスペインの近代、現代の美術を中心にコレクションされており、ピカソ、ミロ、ダリやタピエスなどの作品が見れる。

丁度、行った時には2階でピカソ展をしており、前回来た時よりかなりの量のピカソの作品が見れた。とにかくその数の異常な多さに驚き。そして前に来た時はなかったのだが、日本人アーティスト森村泰昌さんの作品がソフィアで見れたことも感動だった。 

 ・・プラド美術館/Museo del Prado

スペイン絵画を見るなら、やはりここは避けては通れない!!世界でも有名な美術館。歴代のスペイン王が収集したコレクションだからか、宗教画が非常に多い!さすがカトリックの国という感じ。宮廷画家や王室公認の肖像画家の作品も多くある。

プラド美術館は、大まかにスペイン絵画、イタリア絵画、フランドル絵画、彫刻にわけられる。見ておくべき名画はたくさんあり、スペイン絵画では、フランシスコ・デ・ゴヤ/Francisco de Goyaの2枚のマハ。「着衣のマハ/La Maja Vestida」「裸体のマハ/La Maja Desnuda」、ディエーゴ・ベラスケス/Diego Velazquezの「ラス・メニナス/Las Meninas」など。イタリア絵画ではティツィアーノ/ Tiziano、フランドル絵画ではルーベンス/Rubensなどの作品が見れる。

実はマドリッドには旅の行きと帰りに行くことになっていて、行きの日程でプラドへは行くつもりだった。ここは日曜日には無料で入館できるので、貧乏旅行の我々は日曜日に行ったが、あまりの人の多さあきらめた。帰りに時間があれば寄ろうということになったが、しかし帰りも結局時間が少なく、なんと30分という短時間でプラドへ行くことに。ゴヤのデッサン展も特別にしていたので、それを見て、残り時間は目的のボッスへ!!他の作品は全然見なかった。見れなかった。(一度見てるけどね)ああ、なんて贅沢な・・・。(もったいない?)今度は一日かけてもっとゆっくり見てまわりたい・・・・。

 

 ・・ティッセン・ボルミネッサ美術館/Museo Thyssen-Bornemisza

ティッセン・ボルミネッサ男爵のコレクションを元に1992年にオープンした美術館。1〜3階まで年代順に並んで展示されているので、美術史がわかりやすい。13〜14世紀のイタリア絵画から現代の作品までを展示しています。エレベ−タで3階まで上がり、下りながらの順路になっています。時代を追って作品が変化して行くので、見ていてもあまり疲れない(飽きない)。プラドで19世紀までの作品を十分見て、ここで19世紀以降の作品を楽しむのも面白いと思う。近代、現代の作品は、印象派/Impressiiveからフォービズム/Fauvism、キュビズム/Cubisme、ポップアート/Pop artとバラエティに富んでいる。

ソフィアとプラドは2度目だが、ここは初めて。よかったのはシーレの風景画とキルヒナーの作品。(タイトル忘れた)ロスコ−もよかった。

フランシスコ・デ・ゴヤ/Francisco de Goya

1746年3月30日、スペインアラゴン地方に生まれ、イタリア留学の後、王室のタピスリ工場で原画(カルトン)描きの職につき、画家としての道を歩み始める。タピスリ工場では、風俗的なテーマをロココ風の明るい色彩と軽妙なタッチが作品に多く見られる。(「日傘」「目隠し遊び」など)その後、1780年末には王の画家、1799年には首席宮廷画家となりその後「カルロス5世とその家族」「裸体のマハ」「着衣のマハ」などの傑作を描いた。

年を重ねるごとに作風は変化していくが、ゴヤの芸術の本質を決定しているのは、宮廷画家としての華やかな時代ではなく、1792年末の耳の病気で全聾になったこと、ナポレオン軍による祖国の蹂躙を体験したことであった。ゴヤは戦争の壊滅的な力を暗示した「巨人」やフランス軍に素手で立ち向かった民衆の処刑を描いた「マドリード、1808年5月3日、プリンシペ・ピオでの虐殺」などを制作し、人間の残酷さをはげしく告発している。

公的な生活から退いた晩年は、家の壁に描いた「黒い絵」の連作は、ゴヤが生涯にわたって体験した個人的、社会的な悲惨を強迫的な映像で表現した特異な作品。ゴヤは人間の存在の無益さを無慈悲に描きだすことによって、残りの人生も破壊してしまうような苦いペシミズムを表現している。(「我が子を喰らうサトゥルヌス」「魔女の集会」など)ゴヤは、己の人生の課題を制作に直接反映させた点で、芸術の近代的なあり方を示した最初の芸術家のひとりといえる。世紀の転換期のスペイン美術をほとんど一人で代表する巨人であった。

 

Madrid